“拉致被害者救済シンポジュームin郡上”

 

ブログに書ききれなかった思いを綴る。

 

最初に映画を見た。

「めぐみ」−引き裂かれた30年―

めぐみは、昔「流浪の民」と言う歌を、よく歌っていた。

自分の人生を暗示していたようで悲しみが増す。

母・早紀江さんは、聖書の一節に支えられた。

「失った時には、又、別に与えられる喜びがある」と。

凡人には到達できえない、高貴な心境だを語っておられる。

 

最初に、平沼赳夫氏招致に加速をつけられた、藤井孝男先生が挨拶された。

アメリカの言う事は聞くが、日本の言う事は聞かない北朝鮮。

この事を、今、日本は真剣に考えないといけない、と。

 

続いて、平沼赳夫拉致議連会長の講演

日本の主張する拉致被害者は17名だが、北朝鮮は12名だと言う。

12名の内、5名は返した、残りの7名は死んだと言う。

従って拉致問題は解決済みだと主張している。

ちなみに5名を返してもらうのに約1兆円の援助をしたと。

この他に,200名の、特定失踪者がいて、今、神隠しの状況。

拉致議連の会長は、平沼が三代目(初代〜石破茂、二代目〜中川昭一)

閣僚になると辞める為に代わってゆく。

平沼は会長になるに当たり、次の三つを己に課した。

*交渉は総て、政府間交渉とする。

*拉致問題を自らの政治活動に利用しない。

  *国際的に解決する。(世界に14カ国被害国がある)

交渉には、アメとムチがあるが、平沼の方針は一貫してムチである。

具体的なムチとして

  船舶入港禁止法案の成立

  外為法の改正〜北朝鮮への送金禁止の他、様々な制裁が可能となる。

拉致する理由

  *日本人に成りきる工作員の養成に、日本人が必要である。

  *印刷工、機械工等優秀な技術者が必要〜ニセ札を作り世界にばら撒く必要。

ブログでも書いたが、アメリカの言う事は聞くが、日本の言う事は聞かない。

これは軍事力の差だと。

軍国主義になるべきではないが、自分の国は自分の力で守る実力は必要だ。

その為には自主憲法の制定も必要だ。

目を潤ませながら、訴えられた。

 

続いて、横田 滋氏(77歳)

テレビで見る通り、いや、それ以上に、訥々と語り始めました。

正直、よく聞き取れない所もある位である。

日銀時代に郡上八幡に来たような事も言われた。

拉致の歴史を、順を追って語られた。

当初は、誰も聞く耳を持ってくれなかった・・・日本政府も。

拉致されて、20年近くたってから、ようやく国が動き始めた。

そして今、33年になるが、遅々として解決しない。

そして、最後に「国民世論が一番の力です」と結ばれた。

 

続いて早紀江夫人(74歳)

テレビで見る通りに理路整然と話される。

めぐみさんがいなくなった日の事から始められた。

この日は、幾つも不可思議な事柄があったと。

それ以後、あちこちで身元不明の死体が上がるたび、付き合って来た。

悲しみの連続であったが、ある時、出会った聖書の一節(前記)に支えられていると。

日本には優秀な工作員が潜んでいる。

自分の事としてとらえて下さい、訴えられた。

 

この後、横田夫妻と女子高校生二人のパネルデスカッションが行われた。

時間が無くなり、充分な議論は聴けなった。

女子高生は優等生的発言であったが、もう少し赤裸々な事が聴きたかった。

横田 滋氏はここでも多弁であった。

自分が言葉に詰まると奥様の方を向いて、ふられるけれど奥様は苦笑するばかり。

何ともほほえましい二人のお姿が印象に残った。

 

会場から質問があった。

岐阜市で署名運動をしている男性。

満員の会場を見て、郡上の人達の熱い思いに驚いている。

そしてこの運動を終わらせてはならない。

エンドレスとすべきだと。

 

これに、横田 滋氏は素早く反応された。

エンドレスではない。

早く解決して、エンドにしていただきたいと。

“その通りだ!”

 

運動の為の運動をしていると、往々にして、その錯覚に陥るのではと感じた。

 

いま一つ感想を言えば、

ご夫妻が「国民世論が一番の力だ」と言われた。

これは正しいかも知れないが、その奥には、

「日本政府は遅々として何とも頼りない」と言う思いがにじんだ言葉だと思う。

アメリカの場合とは、条件が様々違うと、御託を述べる輩が多い。

今迄、日本のリーダーが北朝鮮に乗り込んだのは小泉一人ではないか。

小泉は好きではないが、この事だけは高く評価していい。

行かずして、行かぬ、行けぬ条件を並べる事の愚かさが嘆かわしい。

直接当たりもしないのは、逃げていると見られても仕方あるまい。

進まないのは「何がダメなのか?」

イロハのイから詰め直したらどうか。

国民はそれが知りたい。

ただ、むやみやたらに署名活動をしていれば良いのか・・・。

 

寅の感想は

“日本政府は何をやっているのか!?」の一語だ。

これではエンドレスに成らざるを得ない。

横田ご夫妻ごめんなさい。

何も出来ない 寅次郎